広島市立図書館資料収集方針

総論

1 構成

広島市立図書館資料収集方針(以下「資料収集方針」という。)は広島市立中央図書館の資料収集要綱及び資料収集選択基準並びに広島市こども図書館の資料収集要綱及び資料収集選択基準でもって構成する。

2 基本的な考え方

市民の生涯にわたる教養、調査研究、レクリエーション等に役立つ資料や情報を収集し、提供することは、公立図書館の基本的な役割である。

そのため広島市立図書館(中央図書館(自動車図書館を含む。)、区図書館、まんが図書館、閲覧室及びこども図書館)においては、この基本的役割を踏まえ、資料費の範囲内において、市民各層の幅広い資料要求にこたえるとともに、国際平和文化都市の図書館として、地域文化の継承・発展に寄与し、また原子爆弾による被爆体験の継承と平和意識の高揚を図り、そしてまた国際理解を深めるための資料収集に努める。

さらに、この資料収集方針は広く市民に公開し、収集内容を明らかにするとともに、市民の要求や意見を真摯に受けとめ、多様な議論を経て必要に応じ改訂を行う。

広島市立中央図書館資料収集要綱

1 趣旨

この要綱は、広島市立中央図書館条例第1条に基づき設置した広島市立中央図書館(以下「中央図書館」という。)並びに同条例第3条に基づき設置した広島市立中区図書館、広島市立東区図書館、広島市立南区図書館、広島市立西区図書館、広島市立安佐南区図書館、広島市立安佐北区図書館、広島市立安芸区図書館、広島市立佐伯区図書館及び広島市立佐伯区図書館湯来河野閲覧室(以下、総称して「区図書館」という。)並びに広島市まんが図書館(以下「まんが図書館」という。)及び広島市まんが図書館あさ閲覧室(以下「あさ閲覧室」という。)(以下、総称して「中央図書館等」という。)における、広島市立中央図書館条例施行規則第2条に基づく資料の収集について、必要な事項を定めるものとする。

2 資料収集の基本方針

  1. 収集計画に基づく収集
    中央図書館等は、国内の出版物の網羅的な収集を目指す。収集にあたっては、収集計画を作成し、それに基づいて収集する。
  2. 図書館システムとしての収集
    広島市立図書館(中央図書館等及び広島市こども図書館条例第1条に規定する広島市こども図書館(以下「こども図書館」という。)をいう。以下同じ。)は、一体のシステムとして運営している。このため、それぞれの役割や機能を踏まえて、体系的な蔵書構成を図る。
  3. 市民の要求を反映した収集
    広範な市民の要求を資料収集に反映する。リクエスト等の直接の要求だけでなく潜在的な要求や将来の要求も反映する。

3 各館等の役割と資料収集の範囲

  1. 中央図書館
    中央図書館は、広島市の中央館として、区図書館等の支援並びに高度な学習や調査研究のための専門図書館及び最終的な保存図書館という役割がある。
    このため、特別高度な学術書を除き、専門書を含め、広島市立中央図書館資料収集選択基準(以下「選択基準」という。)に基づいた資料を中心に幅広く収集する。
    専門的な資料の収集にあたっては、大学や専門機関等と相互協力のうえ、効率的な収集を行う。
    また、広島資料、被爆文献資料及び広島文学資料は、広島市としての特色を有するものであり、関係資料を網羅的に収集する。
  2. 中央図書館(自動車図書館)
    自動車図書館は、市民に対する直接サービスとしての移動図書館車(「ともはと号」)業務と、間接サービスとしての公民館図書室や地域文庫等の配本所への配本業務がある。
    移動図書館車(「ともはと号」)は、図書館や公民館から遠い地域等の市民にサービスを提供する。その主たる利用者である地域の乳幼児から高齢者の読書及び情報に対する要求を受けとめ、小説、実用書、児童図書を中心に収集する。
    配本所は、市民の身近な学習の場として読書及び情報に対する要求を受けとめ、乳幼児から高齢者まで、幅広い利用層を対象に、趣味、教養、娯楽、学習等に必要な資料を収集する。
  3. 中央図書館(電子図書館)
    電子図書館は、情報通信機器により利用が可能な電子資料を提供するものであり、時間や場所の制約を受けることなく読書ができる環境を提供するという役割がある。
    市民の多様な読書及び情報に対する要求を受け止め、幅広い利用者を対象に、様々な学習や調査研究の支援等に必要な資料を収集する。
  4. 区図書館
    区図書館は、市民の身近な図書館として、乳幼児から高齢者まで、日常生活の中で必要とされる資料や情報を提供するとともに、様々な学習や調査研究の支援を行う。高度かつ専門的な事項については、中央図書館やその他の図書館等と連携して支援する。
    そのため、児童図書から一般図書まで幅広く収集する。また、地域に関する資料は、網羅的に収集する。
  5. まんが図書館及びあさ閲覧室
    まんが図書館は、全国唯一の公立の漫画専門の図書館であり、広島市の特色の一つである。漫画は、近年学術的な研究も進められ、大学の学科に加えられる等、社会的評価も定着してきている。
    このため、市民の豊かな感性や創造性の醸成に役立てるとともに、漫画文化の発展に寄与するため、良質で資料的価値の高い漫画資料及び漫画研究のための漫画関係資料を体系的に収集する。
    また、あさ閲覧室は、まんが図書館を補完する付属施設として、学習・教養漫画を含む漫画資料を収集する。

4 収集から除く資料

  1. 多くの利用が見込めないような特別高度な学術書や個人利用を主とする学習参考書、問題集等(ただし、電子図書館の資料は必要に応じて収集する。)。
  2. 興味本位な性的表現のもの、暴力を助長するもの等で、社会の秩序や市民の生活を著しく混乱させるおそれのあるもの。
  3. 造本、印刷等が図書館での利用に耐えられないもの。

5 資料の選択

資料の選択は、2の「資料収集の基本方針」、3の「各館等の役割と資料収集の範囲」を受け、別に定める選択基準に基づき行うこととする。

なお、利用頻度の高い資料は、資料費や蔵書構成等を勘案しながら、複数の収集も考慮する。

6 資料収集の基本的態度

中央図書館等は、利用者が自ら考え、判断することができるよう、次の点に留意しながら、あらゆる思想や主張が共存するような幅広い資料の収集に努める。

  1. 多様な、対立する意見のある事柄については、それぞれの観点に立つ資料を収集する。
  2. 著者の思想的、宗教的、党派的立場にとらわれずに収集する。
  3. 個人及び団体からの圧力に屈せずに収集する。
  4. 収集によって起こる紛糾をおそれずに収集する。
  5. 図書館員の個人的な関心や好みによって収集をしない。

以上によって収集した資料が、どのような思想や主張を持っていても、それを図書館及び図書館員が支持しているものではない。

7 資料収集の決定

  1. 職員で構成される選択会議での協議を経て、中央図書館長が決定する。
  2. 選択会議の手続きについては、別に定める。

8 資料の更新、除籍

中央図書館等は常に適切な資料構成を維持し充実させるため、資料の更新を図る。また、資料の除籍にあたっては、「除籍の基準」とこれに基づき別途定める細則により判断する。

(1) 除籍の基準

ア き損・汚損

(ア) はなはだしいき損又は汚損のために修理製本等ができないもの

(イ) 代替資料があり、修理価値のないもの

イ 亡失

(ア) 自然災害や不可抗力の事故等により亡失したもの

(イ) 再三の督促にかかわらず、回収不能の状態で2年を経過したもの

(ウ)  所在が不明になり2年を経過したもの

ウ 不用

(ア) 時間の経過や社会情勢の変化等により、資料的価値や利用頻度が低下したもの

(イ) 新版・改訂版又は同種資料の入手により、代替可能となったもの

(ウ) 新聞・雑誌については、定められた保存年限を経過したもの

エ 合本、製本

オ 移管

カ その他
中央図書館長が、除籍が必要と認めたもの

9 資料除籍の決定

  1. 職員の合議を経て、中央図書館長が決定する。
  2. 除籍した資料は、広島市物品管理規則等により処理する。

広島市立中央図書館資料収集選択基準

この選択基準は、「広島市立中央図書館資料収集要綱」の5に基づき、資料収集にあたっての資料選択の具体的基準を定めるものである。

選択の留意点の記述のうち、各文末における文言の重要度は、次の順とする。

  1. 網羅的に収集する。
  2. 幅広く収集する。(体系的に収集する。)
  3. 重点的に収集する。
  4. 収集する。
  5. 留意する。(留意して収集する。)
  6. 収集しない。

また、文中の「学術書…」とは、一般的に学者・研究者を対象として出版された資料、又は図書を指す。

1. 中央図書館

(1) 一般図書

市民の教養、調査研究、レクリエーション、日常生活等に役立てるため、基礎的、入門的な図書から、必要に応じてある程度専門的な図書まで、各分野にわたり幅広く収集する。

ア 収集の範囲

こども図書館との機能分担を図って、資料を収集する。

イ 選択の留意点

各分野ごとの留意点を、「日本十進分類法新訂10版」の主題別に記す。

[0 総記]

総記には、[1 哲学]から[9 文学]までの各主題のいずれにも属さないものが収められており、コンピュータ、図書館、出版、ジャーナリズム等の情報関係が主になっている。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
情報学.情報科学(007)
  • コンピュータ関係は、最新のものを、幅広く収集する。
  • 情報システムやソフトウェア等はこの分類で収集する。情報を処理する機器類 ハードウェアや工学的な取扱いに関するものは、5類 通信工学、情報工学 で収集する。
  • 入門書をはじめ、個別のソフトウェアの操作マニュアルにも留意する。
図書館.図書館情報学(010)
  • 司書資格の修得や図書館業務にも役立つよう、網羅的に収集する。
  • 各図書館等が発行した資料も、一般に入手困難なものも多いため重点的に幅広く収集する。
読書.読書法(019)
  • 図書館利用に密接な分野であり、重点的に収集する。
図書.書誌学(020)、著作.編集(021)
  • 図書の関連分野であり、重点的に収集する。
  • 書誌類、目録類、その他情報検索に役に立つものは体系的に収集する。
  • 著作権等に関するものは、幅広く収集する。
  • 出版、流通は基本的なものや話題性のあるものを重点的に収集する。
博物館(069)
  • 鑑賞対象のものから、博物館学まで、幅広く収集する。
ジャーナリズム.新聞(070)
  • 時事性、話題性の高いものを中心に収集する。
  • 主張が分かれる事柄に関するものは、内容等に留意して収集する。
叢書.全集.選集(080)
  • 古典の叢書類から、現代の叢書類まで、幅広く収集する。
  • 個人全集や選集は、主要なものを収集する。
[1 哲学]

哲学に関しては、評価の定まった主要な思想家のものを中心に収集する。評価の未だ定まらない現代思想家のものも、内容等に留意しながら収集する。

宗教に関しても、同様である。新興宗教や超常現象・迷信等に関することは、その内容等に留意しながら収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
哲学(100)
  • 入門書から専門書まで、主要なものを網羅的に収集する。
  • 平易な表現のものを中心としながらも、学問の性格上、専門的なものも収集する。
各国の思想.哲学(120~139)
  • 各時代の各学派の代表的な思想家の学説、著作、伝記、評伝等と、学派や思想を解説したものを体系的に収集する。
  • 体系的に情報がわかるような全集にも留意する。
心理学(140)
  • 入門書から専門書まで、全集類も含めて、主要なものを網羅的に収集する。
超心理学.心霊研究(147)
  • 利用が多い主題であるが、同じようなものが重複しないよう、収集する。
  • また、興味本位のものの収集は最小限にする。
相法.易占(148)
  • 同じようなものが重複しないよう、収集する。
倫理学.道徳(150)
  • 入門書から専門書まで、主要なものを網羅的に収集する。
  • 人生訓、処世法等に関するものは、諸説を幅広く収集する。
宗教(160~199)
  • 信仰を目的としたものよりも、宗教を学問的に論じたものを主に収集する。
  • 入門書から専門書まで、主要なものを収集する。
  • 神道、仏教、キリスト教、イスラム教の主な経典、注釈書、研究書等を幅広く収集する。
  • その他の宗教についても、収集に留意する。
  • 評価の定まらない現代の宗教や宗教批判については、一方的に否定することなく、また、偏りのないよう留意して収集する。
[2 歴史]

様々な歴史観があるため、多様な見解のものを幅広く収集する。

日本史、郷土史等を中心に、入門書や一般向けの歴史の読み物から、専門書、研究書、各史料類まで、幅広く収集する。

通史、時代史、各国史、地域史等、幅広く体系的に収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
日本史(210)
  • 時代ごとに体系的に収集する。
  • 研究者に限らず、専門的な研究をする市民も多いため、研究書、専門書も幅広く収集する。
  • 体系的な叢書類も収集する。
  • 各県史、各市町村史等、地方資料も利用が見込まれるため、近隣地域に重点を置いて収集する。
世界史・各国・地域史(220~279)
  • 各国・地域史は、様々な国と地域のものを幅広く収集する。
  • 出版点数の少ない国や地域のものも、重点的に収集する。
  • 各国・地域の歴史が体系的に理解できる全集類も重点的に収集する。
伝記(280)
  • 時事性、話題性の高い人物にも留意する。
  • 客観的なデータに基づいて書かれたものを優先する。
系譜.家史.皇室(288)
  • 姓氏、家紋等は、入門書、解説書等を中心に幅広く収集する。
個人伝記(289)
  • 日本人の伝記は重点的に収集する。
  • 日本人以外の伝記は主要な人物について収集する。
地理.地誌.紀行(290)
  • 旅行案内、ガイドブック等は、幅広く収集する。
  • 情報が古くならないよう、資料の更新に留意する。
  • ガイドブックは、地域が網羅できるよう、収集する。
  • 地図は用途に応じて各種のものを収集する。
[3 社会科学]

社会生活上に起こる諸問題をまとめた分野であり、時事的テーマに留意し入門書から専門書まで、網羅的に収集する。また、様々な思想、立場が存在するので、多様な観点に立つ資料を幅広く収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
政治・経済・社会・文化事情(302)
  • 各国・地域の社会、文化事情に関する資料は、新しいものを幅広く収集する。また、できるだけ多くの国と地域のものを集める。
  • 古典的なものをはじめ、現在話題のものまで、重点的に収集する。
社会思想(309)
  • 民主主義、社会主義、共産主義等、主要な社会思想に関する著作は、多様な観点に立つ資料を収集する。
政治(310)、議会(314)、政党.政治結社(315)
  • 多様な観点に立つ資料を幅広く収集する。
  • 日本をはじめ、各国・地域の議会制度、選挙制度、政党・政治団体等の状況がわかる資料を収集する。
国家と個人・宗教・民族(316)
  • 人権問題、民族問題等に関する図書を幅広く収集する。
地方自治.地方行政(318)
  • 地方行政、住民運動、都市政策等に関する図書を幅広く収集する。
法律(320)
  • 各分野についての、基本的な資料を網羅的に収集する。
  • 判例集、解説書は、幅広く収集する。
  • 最新のものが提供できるように、改正等に留意する。
  • 憲法、民法、商法、刑法等は重点を置いて収集する。
  • 各種届出の書式集や法律相談等の実用書も収集する。
  • 時事的な主題に関する資料は重点的に収集する。
経済(330)
  • 入門書から研究書まで、幅広く収集する。
  • 時事的なテーマのものも収集する。
  • 多様な諸学説については、幅広く収集する。
企業.経営(335)
  • 入門書から専門書まで、幅広く収集する。
  • 時事性の高いものの収集にも留意する。
社会(360~369)
  • 概論とともに、社会的関心の高いテーマのものを幅広く収集する。
  • 各種社会問題について、時事的テーマに留意し、入門書から専門書まで、幅広く収集する。
教育(370)
  • 入門書から専門書まで、一般市民から教育関係者にも役立つよう、幅広い資料を収集する。
  • 話題となっているものにも留意する。
  • 主要な叢書類は重点的に収集する。
  • 社会教育に関する資料は、生涯学習の観点から幅広く収集する。
風俗習慣.民俗学.民族学(380)
  • 古今東西の生活習慣等については、多様な観点に立つ資料を幅広く収集する。
  • 伝説、民話等は、体系的に収集する。
国防.軍事(390)
  • 多様な観点に立つ資料を幅広く収集する。
[4 自然科学]

情報の更新が早い分野であるため、最新の情報に留意する。一方、出版年の新旧にかかわらず基本となる概説書にも留意する。

入門書から専門書まで、多様な観点に立つ資料を幅広く収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
数学(410)、物理学(420)、化学(430)
  • 入門書から専門書まで、体系的に収集する。
  • 数学は計算法に関するもの、物理学、化学は実験に関するものにも留意する。
天文学.宇宙科学(440)、地球科学.地学(450)
  • 入門書から専門書まで、体系的に収集する。
  • 話題となっているものにも留意する。
生物科学・一般生物学、植物学、動物学(460~480)
  • 入門書から専門書まで、体系的に収集する。
  • 図鑑は、多種多様なものを収集する。
医学(490)
  • 入門書から専門書まで、最新の情報に留意し、幅広く体系的に収集する。ただし、医療従事者や医学生を対象とした高度な専門書・実務書は収集しない。
  • 社会的関心が高い分野は、重点的に収集する。
  • 薬学についても、実用書を中心に幅広く収集する。
[5 技術]

変化が著しい分野であるため、最新の情報を提供できるように留意する。一方、出版年の新旧にかかわらず基本となる概説書にも留意する。

入門書から専門書まで、体系的に収集する。

科学技術の最新の動向についてわかりやすく書かれた資料は重点的に収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
技術史.工学史(502)
  • 多様な資料を幅広く収集する。
研究法.指導法.技術教育(507)
  • 特許、発明にも留意する。
衛生工学.都市工学(518)、環境工学.公害(519)
  • 多様な資料を幅広く収集する。
建築学(520)
  • 日本建築史、西洋建築史等については、建築図集や写真集も併せて幅広く収集する。
  • 様式、構造、設備等、多様な観点の資料を収集する。
  • 住宅関連は、実用的な資料を幅広く収集する。
通信工学.電気通信(547)、情報工学(548)
  • 情報を処理する機器類(ハードウェア)や工学的な取扱いに関するものは、この分類で収集する。情報ネットワークや情報システムに関するものは、0類(情報学.情報科学)で収集する。
家政学.生活科学(590)
  • 趣味や実用に役立つものを網羅的に収集する。ただし、類書も多いので、留意し収集する。
[6 産業]

各産業の概略を理解するのに役立つ、入門書から専門書、実用書を収集する。

また、様々な産業の実務に役立つ資料は、幅広く収集し、最新の動向に留意する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
農業等(610~669)
  • 入門書から専門書まで、最新の情報に留意し幅広く収集する。
広告.宣伝(674)、マーケティング(675)
  • ビジネス、実用に役立つものを中心に、最新の情報に留意し幅広く収集する。
交通政策・行政・経営(681)
  • 実用的な資料を収集する。
鉄道(686)
  • 入門書から専門書まで、幅広く収集する。
  • 類書が多いので留意し収集する。
[7 芸術]

多様な趣味、娯楽、教養に役立つ資料を、鑑賞・研究と制作・実技等との両面にわたり、入門書から専門書まで幅広く収集する。

また、美術全集、画集、写真集等は、高額なものについても、内容等を考慮して収集する。

スポーツについては、各種目について入門書から専門書まで、幅広く収集する。一方で、新しい競技についても迅速に提供できるように留意する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
芸術理論.美学(701)
  • 入門書から専門書まで、基本的な資料を収集する。
芸術史.美術史(702)
  • 各時代、各国・地域のものを幅広く収集する。
彫刻(710)、絵画(720)、版画(730)
  • 画集、作品集は、重点的に収集する。
  • 作家研究や作品研究は、基本的な資料を中心に収集する。
  • 制作技法に関する資料は、入門書から専門書まで、幅広く収集する。
書.書道(728)
  • 主要な書家の書跡集等を収集する。
工芸(750)
  • 入門書から専門書まで、幅広く収集し、技法、鑑賞、研究等の資料を収集する。
音楽(760)
  • 各ジャンルの基本書を体系的に収集する。
  • 楽譜集、歌集は、留意する。ただし、一枚ものの楽譜は収集しない。
舞踊.バレエ(769)
  • 各ジャンルの基本書を、鑑賞と実技の両面から体系的に収集する。
演劇(770)
  • 各ジャンルの基本的な資料を体系的に収集する。
  • 舞台美術、舞台装置に関する資料にも留意する。
能楽.狂言(773)、歌舞伎(774)
  • 入門書から専門書、研究書まで、幅広く収集する。
スポーツ.体育(780)
  • 入門書から専門書、研究書まで、幅広く収集する。
  • 各種目、各競技における基本的資料を収集する。
  • 記録、ルールに関する資料を収集する。
  • 新しいスポーツに関する資料にも留意する。
諸芸.娯楽(790~799)
  • 茶道、花道については、入門書から専門書まで、各流派のものも含め幅広く収集する。
  • 娯楽及びゲームに関する資料は、入門書を中心に幅広く収集する。
[8 言語]

世界各地の言語(日本語を含む)の歴史、文法等に関する資料を、入門書から専門書まで、幅広く収集する。辞典は多種多様なものを収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
言語学(801)
  • 言語学に関する基本的な資料を収集する。
言語生活(809)
  • 実用的で多様な資料を幅広く収集する。
日本語(810~815)
  • 入門書から専門書まで、幅広く収集する。
文章.文体.作文(816)
  • あいさつ、スピーチ、手紙、論文等のための、用語集、例文集等は、幅広く収集する。
方言.訛語(818)
  • 入門書、概説書を重点的に収集する。
  • 中国地方の方言に関するものは収集し、その他地域の方言に関するものは留意する。
各言語(820~899)
  • 語学に対する学習と実用に役立つ資料を幅広く収集する。
  • 会話のほか、文法、作文、音声等の資料を幅広く収集する。
  • 入門書から専門書まで、収集する。
[9 文学]

日本の現代小説類を中心に、全集、文庫等も含めて網羅的に収集する。

主要な文学賞受賞作品は、幅広く収集する。

基本図書となる全集類は、重点的に収集する。

作品論や作家研究等は、専門書も収集する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
文学理論・作法(901)
  • 文学批評、理論等は、入門書から専門書まで、幅広く収集する。
叢書.全集.選集(908)
  • 個人全集は、単行本未刊行作品も収載されていることが多く、また、年譜や著作目録等も充実しているため、主要なものを収集する。
日本文学(910)
  • 作家研究、作品研究に関しては、幅広く収集する。
  • 古典については、基本的なものをはじめ、幅広く収集する。
  • 注釈書、書誌索引等も収集する。
  • 近代文学研究及び近代以降の作品は、作品集を含めて幅広く収集する。
詩歌、小説.物語、評論.エッセイ.随筆、日記.書簡.紀行、記録.手記.ルポルタージュ(911~916)
  • 主要なものを網羅的に収集する。
  • 解説書、注釈書、現代語訳等も重点的に収集する。
  • 各種の文学賞受賞作品、時事性、話題性のある作品は留意する。
作品集:全集・選集(918)
  • 主要な全集・選集は、網羅的に収集する。
外国文学(920~999)
  • 各分野の基本的な作品、作品研究、作家研究を体系的に収集する。
  • 時事性、話題性に留意する。
  • 漢詩、漢文等は解説書類を含め、主要なものを幅広く収集する。
  • 英米文学は研究書、評論等に留意して収集する。
  • 出版点数の少ない国や地域については留意する。

(2) 児童図書

子どもの教養・レクリエーションに役立つものを中心に多様な資料を収集する。

ア 収集の範囲

乳幼児から児童・生徒まで、発達段階に応じたものを収集する。

イ 選択の留意点

こども図書館資料収集選択基準に準じて、子どもの健やかな成長に役立つ資料及び子どもの読書活動を啓発・支援するための資料を収集する。

(ア) 乳幼児から児童・生徒までが利用対象の中心となるので、子どもの発達段階を念頭に置きながら、地域の特性を考慮して資料を収集する。

(イ) 全ての子どもが読書の楽しみを享受できるよう、親しみやすく手に取りやすい資料を重点的に収集する。

(ウ) 児童・生徒を対象とした調べ学習に対応できる資料を収集する

(エ) 総合学習・調べ学習も含め、子どもの学習に応えられる参考図書等の資料を収集する。

(3) 青少年用図書

青少年(おおむね中学生・高校生の世代)の興味・関心が高い資料を中心に幅広く収集する。

ア 収集の範囲

青少年を主要な対象とする資料を中心に、一般図書、児童図書の区別なく収集する。また、漫画資料についても必要に応じて収集する。

イ 選択の留意点

(ア) 趣味、教養、娯楽、進路、職業など、青少年のニーズに沿ったテーマに関する資料を収集する。

(イ) 青少年の興味や関心を深め、知性や感性を豊かにする資料を幅広く収集する。

(ウ) 変化が著しい分野については、最新の情報を提供できるよう留意する。

(エ) 漫画資料については、「5. まんが図書館」の資料選択基準に準じて、青少年のニーズに沿ったテーマへの理解を深める内容のものを収集する。

(4) 参考図書

市の中央館として、市民の高度な学習や調査研究に応じるとともに、区図書館での調査研究を支援するため、それに応じることのできる幅広い参考資料の収集を行う。

ア 収集の範囲

(ア) 事典、辞書、ハンドブック、年鑑、白書、索引等

(イ) その他、調べ物に利用することのできる参考図書類

イ 選択の留意点

(ア) 市民の多種多様な調査研究に対応するため、質問全般に概説できる百科全書的なものから、一つの問題を掘り下げて解説する専門分野の事典等、多様な資料を収集する。また、主要なテーマについては、比較検討できるよう、複数収集する。

(イ) 改訂版に留意する。

  • ※以下、特に重点を置く主題を記す。
[0 総記]

多種多様な調べ物に対する、総合的な参考図書がこの分野であり、重点的に収集する。

情報学.情報科学(007)
  • コンピュータ関係は、最新のものを、幅広く収集する。
  • 情報システムやソフトウェア等はこの分類で収集する。情報を処理する機器類 ハードウェアや工学的な取扱いに関するものは、5類 通信工学、情報工学 で収集する。
  • 入門書をはじめ、個別のソフトウェアの操作マニュアルにも留意する。
総合年鑑
  • あらゆる分野にわたり、各年鑑を継続して収集する。
[1 哲学]

哲学事典、心理学事典、名言事典、人物事典等、各種収集する。

宗教に関しては、各宗派の事典を収集する。

[2 歴史]

各分野において体系的に収集する。

歴史事典
  • 網羅的な事典から一冊のものまで収集し、年表についても留意する。
人名事典、人名録
  • 古代から現代まで、幅広く収集する。
地理
  • 地名事典、地名大系等、網羅的なものを収集する。
  • 世界全図、日本全図等、冊子体でなるべく詳しいものを収集する。
[3 社会科学]

白書、統計、報告書等を網羅的に収集する。

法令集・判例集
  • 最新の情報に留意し収集する。
経済
  • 最新の情報に留意し収集する。
統計
  • 国勢調査、日本国勢図会、世界統計年鑑等、各種統計類を収集する。
社会福祉
  • 各種事典類を収集する。
教育
  • 教育事典、大学その他学校等の案内書、各種事典類等を収集する。
風俗習慣
  • 衣食住等に関する入門的事典から専門的事典までを収集する。
白書
  • 最新の情報に留意し収集する。
[4 自然科学]

事典、図鑑類は多様なものを収集する。

また、医学・薬学の分野では情報の更新が早いため最新の情報にも留意する。

[5 技術]

変化の著しいこの分野に関しては、最新の情報に留意し、事典、ハンドブック等、多様なものを収集する。

[6 産業]

様々な産業の動向に留意し、事典、ハンドブック等、多様なものを収集する。

[7 芸術]

美術、音楽に関しては、時代、国・地域を問わず網羅的に収集する。

また、スポーツに関しては各競技のルール等は最新のものに留意し、主要な競技会のデータも収集する。

[8 言語]

日本語を中心に、各種言語について、辞典、ハンドブック等、多様なものを収集する。

日本語辞典
  • 現代用語から古語、外来語、ことわざ等、様々な辞典を網羅的に収集する。
各種語学辞典
  • 様々な言語について幅広く収集する。
  • 日本語と各種言語が相互に変換できるよう留意し収集する。
[9 文学]

日本を中心に、その他の国や地域の文学について、文学史、主要な作家研究等に留意し収集する。

主要な文学者については、その個人の情報が網羅されている個人事典等も収集する。

  • 網羅的な文学事典のほか、短歌事典、俳句事典等、分野ごとに収集する。
  • 全集内容総覧等の索引類も体系的に収集する。

(5) 広島資料

地域文化の継承と発展に役立つことは、中央図書館の重要な役割である。そこで、市の歴史・地理・経済・行政・文化等に関する多様な資料を積極的に、網羅的に収集する。

また、市政について市民が知り、学ぶことを支援するため、市が発行した資料は積極的に、網羅的に収集する。

ア 収集の範囲

(ア) 広島市に関する資料

(イ) 広島市及びその関係団体の行政資料

(ウ) 広島市在住、出身及びゆかりのある人物の著作物

(エ) 広島市在住、出身及びゆかりのある人物について記述された伝記的資料

(オ) 広島市及びそこに暮らす人々を題材にした小説等の文学的作品

(カ) 各種出版物(図書・雑誌等)で、内容の一部に広島市に関係する記述がある資料

(キ) 広島県に関する資料

(ク) 広島県、県内各市町及びその関係団体の行政資料

(ケ) 国及びその関係団体の行政資料

(コ) 広島市内及び広島県内の各種の団体に関する資料

(サ) その他

  • ※(キ)・(ク)・(ケ)の資料については、広島市に関する記事や、広島市を理解するうえで必要な情報が掲載されている資料を収集する。
イ 選択の留意点

(ア) 種類

a 図書

b 逐次刊行物(雑誌、新聞、同人誌、紀要等)

c 小冊子類(パンフレット・リーフレット等)

d 地図(地形図・市街図等)

e 視聴覚資料

f その他

  • ※なお、近世以前の古文書及び明治以後の文書類は、原則として収集しない。

(イ) 部数

収集する資料は、できる限り3部以上収集し、1部は館内閲覧用(広島資料用)、1部は貸出用、1部は保存用とする。
なお、残余がある場合は、図書の内容や利用状況にあわせて貸出用・保存用に分ける。
ウ 選択の留意点

(ア) 関係機関及び市民の協力

広島市公文書館、広島市郷土資料館、広島城、広島市男女共同参画推進センター、広島市教育センター等の関係機関と連携を図りながら、資料及び情報を収集する。
また、市内、県内の大学・研究機関・図書館等とも協力して、資料及び情報を収集する。
さらに、資料の充実は、図書館だけの努力では限界があるので、市民の協力を得て、資料及び情報を収集する。
エ 各分野ごとの留意点
(ア) 図書

(ア)-ア 図書館・博物館

a 市及び県内施設の活動状況等を総括的に扱っている資料

b 博物館等で開催された、特に郷土に関する展示会の図録

(ア)-イ 文化行政・文化活動

a 市及び県内の文化行政を総括的に扱っている資料

b 市及び県内の文化機関、文化団体、文化施設の紀要類や活動に関する資料

(ア)-ウ 宗教一般

a 市内の神社、寺院、教会その他宗教団体に関する資料

b 県全体を総括的に扱っている資料のうち、広島市の宗教活動等を理解する上で必要な資料

(ア)-エ 歴史一般

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 各時代ごとに概括した資料

c 市内の各地域史

d 県の通史

e 市の周辺自治体の通史

f 県内の各自治体の通史のうち必要な資料

(ア)-オ 伝記・人名録

a 市及び県にゆかりのある人物の人名録

b 市にゆかりのある人物の伝記

c 各種出版物(図書、雑誌等)で内容の一部に市にゆかりのある人物についての記述がある資料

d 県にゆかりのある人物の伝記で必要な資料

(ア)-カ 地誌・地域案内

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市内各地域の地誌

c 市の周辺自治体の地誌のうち必要な資料

d 県全体を扱っている地域案内資料

e 県内の主要な観光地に関する資料

f 市及び県内の観光パンフレット等の観光案内資料

(ア)-キ 地図

a 市の市街図、住宅地図、観光地図、主題図、地形図、便利マップ等の地図資料

b 県及び各自治体の市街図・住宅地図・観光地図等のうち必要な資料

(ア)-ク 地方行政

a 市・県等の自治体や国の行政資料

b 市民団体や各種団体が刊行する資料

c 各種出版物(図書・雑誌等)で、内容の一部に広島市にかかわる記述がある資料

(ア)-ケ 財政一般

a 市・県等の自治体や国の財政資料

b 予算書、決算書をはじめ、市の財政を知ることのできる資料

(ア)-コ 議会一般

a 市・県等の自治体や国の議会資料

b 議事録をはじめとした、市及び県議会に関する資料

(ア)-サ 経済一般

a 市の経済活動に関する資料

b 市内の企業・事業所の沿革史や経済活動等の資料

c 県内の企業・事業所に関する資料のうち必要な資料

(ア)-シ 統計

a 市に関する統計資料

b 県の行政統計をはじめ、各種統計資料

c 県内の他の自治体及び国の統計資料のうち必要な資料

d 市民団体や各種団体の発行する資料

(ア)-ス 社会・労働

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市民団体や各種団体の発行する資料

(ア)-セ 消費者問題

市全体を総括的に扱っている資料

(ア)-ソ 女性問題、児童・青少年問題、高齢者問題

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市民団体や各種団体の発行する資料

(ア)-タ 労働一般、労働運動

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市民団体や各種団体の発行する資料

(ア)-チ 社会保障、社会保険、生活保護、児童福祉、障害者福祉

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市民団体や各種団体の発行する資料

(ア)-ツ 教育一般

a 市、県及び国の資料

b 県内の各自治体の資料のうち必要な資料

(ア)-テ 教育史・事情

市内の各学校の校史をはじめ、幼稚園等の関係機関に関する資料

(ア)-ト 障害児教育

市の障害児教育等を総括的に扱っている資料

(ア)-ナ 社会教育

a 市の社会教育活動を総括的に扱っている資料

b 市内の各公民館をはじめとした社会教育機関の活動に関する資料

(ア)-ニ 風俗・民俗

市全体を総括的に扱っている資料

(ア)-ヌ 年中行事・祭礼・民間信仰・伝説・民話

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市内の各地域ごとにまとめられた資料

c 県全体を総括的に扱っている資料及び県内の各地域に関する資料

(ア)-ネ 災害

a 市内の地震や風水害に関する資料

b 県全体を総括的に扱っている資料及び県内の主要な災害に関する資料

(ア)-ノ 地質学・地学

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 県全体を総括的に扱っている資料のうち必要な資料

(ア)-ハ 植物学・動物学

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市及び県内の植物園・動物園等の活動に関する資料

(ア)-ヒ 医療・衛生一般

市全体を総括的に扱っている一般的な資料

(ア)-フ 都市問題

a 市全体を総括的に扱っている資料

b 市及び県内の交通や上・下水道等の住環境に関する資料

c 市及び県内の公園、都市緑化、河川等の都市環境に関する資料

(ア)-へ 環境問題

a 市内の環境汚染等に関する資料

b 県内の環境汚染・環境問題に関する資料のうち必要な資料

(ア)-ホ 工業・製造業

a 市及び県内の統計的資料をはじめとして、総括的に扱っている資料

b 市及び県内の主要な工業・製造業に関する資料

(ア)-マ 産業一般

a 市及び県内の統計的資料をはじめとして、総括的に扱っている資料

b 市及び県内の主要な産業に関する資料

(ア)-ミ 農業・林業・園芸・水産業

a 市及び県内の統計的資料をはじめとして、その活動に関する資料

b 市の特産品に関する資料

c 県内各地の特産品に関する資料のうち必要な資料

(ア)-ム 商業

a 市及び県内の統計的資料をはじめとして、総括的に扱っている資料

b 市及び県内の主要な商業に関する資料

(ア)-メ 芸術・美術一般

a 市及び県内の芸術・美術活動に関する資料

b 郷土に関する展示会の図録

c 彫刻・絵画・書道・写真・工芸・音楽・演劇等で、市を題材又は背景等として扱った資料

d 市にゆかりのある芸術家・美術家の作品に関する資料

e 市にゆかりのある芸術家・美術家の伝記的資料

f 県にゆかりのある芸術家・美術家の作品に関する資料及び伝記のうち必要な資料

(ア)-モ 美術館等

a 市及び県内施設の活動状況等を総括的に扱っている資料

b 美術館等で開催された、特に郷土に関する展示会の図録

(ア)-ヤ スポーツ一般

a 市のスポーツ活動を総括的に扱っている資料

b 市内の各スポーツセンター等の活動に関する資料

c 市内のスポーツ団体や市にゆかりのあるスポーツ選手に関する資料

d 県内のスポーツ活動を総括的に扱っている資料及び各スポーツ選手やスポーツ団体に関する資料のうち必要な資料

(ア)-ユ 文学一般

a 市の文学活動を総括的に扱っている資料

b 市にゆかりのある文学者の伝記、作家論

c 県にゆかりのある文学者の伝記、作家論のうち必要な資料

(ア)-ヨ 文学的作品

a 市内在住者又は市にゆかりのある作家の文学的作品(内容が広島市を題材又は背景等にしていなくても収集する。)

b 市を題材又は背景等にした文学的作品(詩歌、戯曲、小説・物語、評論、随筆、紀行、ルポルタージュ等)

c 県を題材又は背景等にした文学的作品のうち必要な資料

(イ) 逐次刊行物

(イ)-ア 雑誌

a 市内で発行されている総合的な郷土(史)誌、同人誌、ミニコミ誌等

b 県内で発行されるもので、内容が広島市に関係している資料

c 市内で発行される文学雑誌・同人誌等

d 県内で発行される文学雑誌・同人誌等のうち必要な資料

(イ)-イ 新聞

a 市内で発行されている総合的な地域紙は、一般地域紙からPR紙、サークル紙、ミニコミ紙等

b 県内で発行されているものについても、内容が広島市に関係している新聞

(イ)-ウ 紀要

市及び県内の大学、研究機関等が発行している紀要、研究報告類
(ウ) 視聴覚資料

(ウ)-ア 映像資料

a 市・県等の自治体や国の行政資料

b 市民団体、各種団体が発行する資料

c 市の歴史・地理・経済・行政・文化への理解に必要な資料

  • ※ただし、一般に流通している資料(同一内容で図書館向けに販売されている資料を含む。)は「(11)視聴覚資料」において扱う。

(ウ)-イ 録音資料

a 市・県等の自治体や国の行政資料

b 市民団体、各種団体が発行する資料

c 市の歴史・地理・経済・行政・文化への理解に必要な資料

(イ)-ウ 紀要

市及び県内の大学、研究機関等が発行している紀要、研究報告類

(6) 被爆文献資料(原爆・平和関係資料)

広島市は、世界最初の原爆被爆都市として、被爆体験の継承と核兵器の廃絶、世界の恒久平和の実現を訴え続けている。

このため、被爆による人的・物的被害を記述したあらゆる資料並びに関連する多様な資料及び平和に関する資料を積極的に、網羅的に収集する。

ア 収集の範囲

(ア) 広島市の被爆に関する資料

(イ) 長崎市の被爆に関する資料

(ウ) 児広島市及び長崎市での被爆の体験記等の文学的資料

(エ) 広島市・長崎市以外の地域での被爆(被曝)に関する資料

(オ) 広島市及び長崎市での被爆状況を理解するうえで参考となる資料

(カ) 平和に関する資料(ただし、広島市・長崎市との関連が深いものに限る。)

(キ) その他

イ 収集の資料

(ア) 種類

a 図書
b 逐次刊行物(雑誌、紀要、新聞、同人誌等)
c 小冊子類(パンフレット・リーフレット等)
d 地図(地形図・市街図等)
e 視聴覚資料
f その他

(イ) 部数

収集する資料は、できる限り3部以上収集し、1部は館内閲覧用(被爆文献資料用)、1部は貸出用、1部は保存用とする。
なお、残余がある場合は、図書の内容や利用状況にあわせて貸出用・保存用に分ける。
ウ 選択の留意点

(ア) 視聴覚資料のうち映像資料については、一般に流通している資料(同一内容で図書館向けに販売されている資料を含む。)は「(11)視聴覚資料」において扱う。

(イ) 広島平和文化センター等の関係機関と連携して収集する。

(7) 広島文学資料

広島資料のうち、広島市の出身者、在住者及びゆかりのある人物の文学資料等を、広島文学資料として積極的にかつ網羅的に収集する。

ア 収集の範囲

広島文学資料として収集する資料のうち、特に文学的業績が著しい21名については、その人物の文学的資料(詩、小説、物語、評論随筆、紀行、手記、ルポルタージュ、エッセイ等)とその人物の伝記的資料や創作活動関連資料等も含めて網羅的に収集する。

(ア) 収集の対象となる人物は、次のとおりである。

鈴木三重吉 田中 純 細田民樹 若杉 慧 大田洋子 原 民喜 阿川弘之
桂 芳久 竹西寛子 梶山季之 大庭みな子 岡山 巌 正田篠枝 近藤芳美
大木惇夫 峠 三吉 栗原貞子 黒田三郎 小山内 薫 畑 耕一 新藤兼人

(イ) 上記以外の人物については、時宜を得て検討する。

イ 収集の資料

(ア) 種類

a 図書

(a) 初版本
(b) 同じ作品でも、出版社・出版年等が異なる初版本
(c) 初版本以外でも必要と判断されるもの

b 原稿類(草稿、メモ、創作ノート等を含む。)

c 図書・雑誌・新聞等で収集対象者の著作物が掲載されたもの

d 書簡類・日記類

e 写真・絵・書(収集対象者が写した写真、描いた絵及び書いた書。収集対象者が写っている写真やゆかりのある絵・書を含む)

f 収集対象者に関する記事が掲載されている図書・雑誌・新聞等

g 収集対象者の生い立ちや生きざまを知ることができる資料

h 収集対象者がその著作物の創作過程で使用した資料

i 収集対象者が収集した図書・雑誌・新聞等

j その他、文房具等、収集対象者が使用していたもの等

(イ) 部数

収集する部数は1部とするが、資料の内容や利用状況によっては2部以上収集する。
ウ 選択の留意点

広島文学資料収集対象以外の人物の文学資料や伝記的資料については、広島資料の文学関係資料として収集する。

エ その他

広島文学資料として収集している、鈴木三重吉ほか20名に関する資料を保存・活用していくため、昭和62年(1987年)10月、中央図書館内に「広島文学資料室」を設置している。

(8) 障害者サービス用資料

広島市立図書館は、心身の障害等の理由により図書館の利用が困難な市民が、図書館サービスを利用できるよう障害者サービスを実施している。図書館の利用に障害のある市民の利用環境を整備していくために、一般図書、児童図書の他にも様々な障害の特性に配慮した利用しやすい資料を収集する。

ア 収集の範囲

障害者サービスを実施するために、次の資料形態のものを収集する。

(ア) 録音図書(DAISY図書、マルチメディアDAISY図書、カセットブック、CDブック)

(イ) 点字図書、点字新聞、点字雑誌

(ウ) 大活字本

(エ) 点訳絵本

(オ) 点字付きさわる絵本

(カ) さわる絵本

(キ) 布絵本

(ク) LLブック(やさしく読みやすい本)

(ケ) その他

イ 収集の資料

(ア) 種類

a 図書の関連分野であり、重点的に収集する。

b 逐次刊行物(雑誌、紀要、新聞、同人誌等)

c 録音資料(一般的に流通している視聴覚資料は除く。)

d その他

ウ 選択の留意点

障害の種類や程度、年齢を問わず利用しやすい資料形態のものを購入、寄贈等により収集する。

(9) 外国語資料

「国際平和文化都市」を目指す広島市の図書館として、市民が諸外国の社会や文化を理解すると同時に、外国人が日本を理解するための手助けとなる日本語以外の言語で書かれた資料を幅広く収集する。

ア 収集の範囲

英語、中国語及び朝鮮語[韓国語]の図書並びに逐次刊行物を重点的に収集する。その他の言語の図書及び逐次刊行物にも留意する。

イ 収集の資料

(ア) 一般図書

a 各国の歴史、地理、社会、芸術、文学に関するものを重点的に収集する。

b 日本の衣食住等の生活習慣、社会、政治、経済の状況、歴史、地理、文化芸術に関するものを重点的に収集する。

b 日本の衣食住等の生活習慣、社会に関するものを重点的に収集する。

c 日本文学が外国語に翻訳されたものに留意する。

d 外国人の日本語学習に役立つものに留意する。

e 姉妹友好都市に関するものは幅広く収集する。

(イ) 児童図書

a 各国の歴史、地理、社会、芸術、文学に関するものを重点的に収集する。

b 日本の衣食住等の生活習慣、社会に関するものを重点的に収集する。

b 日本の衣食住等の生活習慣、社会に関するものを重点的に収集する。

c 日本文学が外国語に翻訳されたものに留意する。

d 外国人の日本語学習に役立つものに留意する。

e 姉妹友好都市に関するものに留意する。

(ウ) 参考図書

基本的なものを収集する。

(エ) 逐次刊行物(雑誌、新聞)

社会、経済、生活、文化等の理解に役立つものを中心に収集する。

(10) 雑誌・新聞

一般図書に比べ、内容の速報性という点で、雑誌・新聞は重要な資料であり、市民の趣味、娯楽、教養及び調査研究に役立つ資料として、各分野の代表的雑誌及び主要な新聞を体系的に収集する。

ア 収集の範囲

(ア) 雑誌

a 国内発行の各分野における基本的な雑誌を中心に、主に、市民の趣味、娯楽、教養等に役立つ一般雑誌及び調査研究に役立つ専門雑誌(特別高度なものは除く。)を収集する。

b 子ども向けの趣味、娯楽や調べ学習に役立つ雑誌を収集する。

(イ) 新聞

a 主要な一般紙(全国紙、地方紙)、専門紙、機関紙等を収集する。

b 子ども向けの趣味、娯楽や調べ学習に役立つ新聞を収集する。

イ 選択の留意点

(ア) 雑誌

a 性格上、継続しての収集となるため、新規収集にあたっては、利用度、類似誌の有無、永続性等を慎重に検討して決定する。

b 必要に応じて専門雑誌や外国語の雑誌を収集する。

c 休刊、廃刊、誌名変更等に留意する。

(イ) 新聞

a 全国紙は、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞を収集する。

b 地方紙は、中国新聞のほか、広島市及び周辺の地方紙は網羅的に、全国紙の地方版は可能な限り収集する。

c 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日経産業新聞、日本経済新聞の縮刷版(全国版)を収集する。

d その他の新聞は、必要に応じて原紙又はマイクロフィルムで収集する。

(11) 視聴覚資料

多様なメディアによる情報提供という観点から、国際平和文化都市広島にふさわしい、教養や文化の向上に資する資料を収集する。

ア 収集の範囲

(ア) 映像資料

以下の条件に該当する商業映画を収集する。

a 広島をテーマや舞台にした作品

b 広島出身の映画人(監督・俳優・脚本家・原作者)の作品。

c 国内映画賞、国際映画祭受賞作品

d 定評ある書評等で高い評価を得た作品

(イ) 録音資料

a クラシック音楽

b ジャズ

c ポピュラー音楽

d 日本の伝統音楽

イ 収集の資料

(ア) 種類

a 映像資料
(a) DVD
(b) ブルーレイディスク
b 録音資料
コンパクトディスク

(イ) 部数

収集する点数は1点とする。
ウ 選択の留意点

映像文化ライブラリー等の関係機関と連携し収集する。

エ 資料ごとの留意点

(ア) 映像資料

a 館内視聴・館外貸出(個人貸出)の許諾が著作権者から得られている作品を収集する。

b 映像倫理委員会による区分表示がPG12、R15+、R18+の作品については、その資料的価値に照らし、慎重に選択し、収集する。

(イ) 録音資料

a 既に評価の定まった優れた作品を収集する。

b 映像資料が付いた資料、輸入盤は原則として収集しない。

2. 中央図書館(自動車図書館)

自動車図書館は、市民に対する直接サービスとしての移動図書館車(「ともはと号」)業務と、間接サービスとしての公民館図書室や地域文庫等の配本所への配本業務を行っている。

このため、それぞれの場において、利用者のニーズに合った適切な資料を積極的に収集する。

(1) 収集の範囲

乳幼児から高齢者までを対象とした資料を収集する。

ア 一般図書
親しみやすく、平易に書かれた図書を各分野にわたり収集する。

イ 児童図書
乳幼児から児童・生徒向きのものまで、幅広く収集する。

ウ 郷土資料
市に関する資料を収集する。原爆、平和に関する資料も収集する。

(2) 選択の留意点

特に、大活字本については、積極的に収集する。

ただし、配本に適さない文庫本、複合媒体付資料、逐次刊行物は、収集しない。

ア 一般図書

(ア) 実用書、教養書等
利用状況に即した資料や、内容の新しい資料を収集する。
(イ) 文学作品等
個々の単行本を中心に収集する。

イ 児童図書

乳幼児から児童・生徒までを対象に、趣味、教養、娯楽、学習に役立つ資料を収集する。すべての子どもが、読書の楽しみを享受できるように、絵本、紙芝居をはじめ各分野の図書を幅広く収集する。特に、各分野の評価の定まった資料は、網羅的に収集する。

ウ 郷土資料

市域に関する資料は、概括的な資料を中心に収集する。

3. 中央図書館(電子図書館)

電子図書館は、情報通信機器により利用が可能な電子資料を提供するものであり、時間や場所の制約を受けることなく読書ができる環境を提供するという役割がある。

このため、電子資料の特性をいかした、様々な学習や調査研究の支援等に必要な資料や、地域資料の保存及び活用を図るための資料等を収集する。

(1) 収集の範囲

幅広い利用者を対象とした資料を収集する。

ア 一般図書
市民の趣味、娯楽、教養及び調査研究に役立つ資料を収集する。

イ 児童図書
乳幼児から児童・生徒向きのものまで、発達段階に応じた資料を収集する。

ウ 参考図書
市民の高度な学習や調査研究に対応できる専門的な資料も必要に応じて収集する。

エ 郷土資料
広島市又は広島県に関する資料を収集する。

(2) 選択の留意点

ア 音声読み上げに対応した資料やオーディオブックに留意する。

イ 電子資料の特性や幅広い利用者への提供を考慮し、障害のある市民も利用できるよう、障害の特性に応じた、利用しやすい形式の資料に留意する。

ウ 電子資料の特性をいかし、個人利用を主とする学習参考書や問題集等に留意する。

エ 外国語で書かれた資料に留意する。

4. 区図書館

区図書館は、市民の身近な図書館として、市民が日常生活において必要とし、教養・レクリエーションに役立つものを中心に多様な資料を提供する。その他の専門的な資料については、中央図書館、こども図書館及びまんが図書館の支援を得る。

(1) 収集の範囲

乳幼児から高齢者までを対象とした資料を収集する。

ア 一般図書
親しみやすく平易に書かれた小説、実用書や入門書、概説書を中心に収集する。

イ 児童図書
乳幼児から児童・生徒まで、発達段階に応じたものを収集する。

ウ 参考図書
基本的な参考資料を各分野にわたり収集する。

エ 郷土資料
広島市及びそれぞれの区にかかわりのあるものを重点的に収集する。原爆、平和に関する資料も収集する。

オ 障害者サービス用資料
様々な障害の特性に配慮した利用しやすい資料を必要に応じて収集する。

カ 雑誌・新聞
市民の趣味、娯楽、教養等に役立つ一般雑誌及び主要な一般紙(全国紙、地方紙)を収集する。

(2) 選択の留意点

中央図書館の一般図書に準じるが、地域の共通の関心事や社会的に話題となっている事項に関する資料は重点的に収集する。

(3) 各分野ごとの留意点

ア 一般図書

[0 総記]
  • 情報の更新が早いコンピュータ関係資料は、最新のものを提供できるように収集する。
  • 読書の動機づけとなるようなものを収集する。
[1 哲学]
  • 平易な表現のものを中心に、基本的なものを収集する。
  • 心理学は、主要なものを幅広く収集する。
  • 宗教関係は、偏りのないよう留意し、教義や解釈が平易に書かれたものを中心に収集する。
[2 歴史]
  • 日本史は、各時代にわたって、幅広く収集する。
  • 世界史及び各国の歴史は、政治、経済、文化等の面で話題となっている国・地域について留意する。
  • 伝記は、話題となっている人物にも留意する。
  • 旅行のためのガイドブック及び地図は、情報の更新に留意して収集する。
[3 社会科学]
  • 変化の激しい政治・経済・社会・文化事情は、最新の情報を提供できるように収集する。
  • 人権問題に関する資料は、民族問題等も含め重点的に収集する。
  • 市民に身近な法律は、最新の情報を提供できるように収集する。
  • 経済・経営・金融は、基本から最新の情報まで幅広く収集する。
  • 教育に関する資料は、今日的な課題に留意しながら、収集する。
  • 冠婚葬祭、生活習慣等に関する分野については幅広く収集する。
  • 国防・軍事関係は平和問題とも関連が深いため、多様な観点に立つ資料を世界情勢にも留意して重点的に収集する。
[4 自然科学]
  • 数学・物理学・化学等は、入門書を幅広く収集する。
  • 天体・宇宙は、幅広く収集する。
  • 動植物に関しては、幅広く収集する。
  • 健康に関しては、最新の医学情報、健康法、薬についてわかりやすく書かれたものを幅広く収集する。
[5 技術]
  • 住宅に関連する資料は、新しいものを収集する。
  • コンピュータやソーシャルメディア等の情報工学に関連する資料は、最新の情報のものを収集する。
  • 家政学、生活科学の分野の実用書は、流行にも留意する。
[6 産業]
  • 園芸やペットの飼育等は、実用書を幅広く収集する。
  • 商業経営、商店及び広告、宣伝は、ビジネス及び実用に役立つものを幅広く収集する。
  • 運輸、交通等について、幅広く収集する。
  • 観光事業等について、幅広く収集する。
  • 通信事業は、情報の更新が早いので、新しい情報に留意する。
[7 芸術]
  • 彫刻、絵画、書道、版画、写真は、入門書を中心に幅広く収集する。
  • 工芸、音楽、演劇は、基礎的なものを含めて幅広く収集する。
  • スポーツは、各競技の基本的資料を幅広く収集する。
  • 囲碁、将棋、トランプ等の娯楽に関するものは、幅広く収集する。
[8 語学]
  • 話し方やあいさつ、スピーチ集は、実用的なものを中心に収集する。
  • 日本語は、手紙や文章の書き方等の実用書を中心に、幅広く収集する。
  • 外国の言語に関する資料については、基本的なものを収集する。
[9 文学]
  • 作品・作家研究は、日本文学では現代文学だけでなく古典も含め、また、外国文学は、一般的なものを幅広く収集する。
  • 話題となっている現代文学は国内で出版されたものを網羅的に収集する。

イ 児童図書
こども図書館資料収集選択基準に準じて、子どもの健やかな成長に役立つ資料及び子どもの読書活動を啓発・支援するための資料を収集する。

(ア) 乳幼児から児童・生徒までが利用対象の中心となるので、子どもの発達段階を念頭に置きながら、地域の特性を考慮して資料を収集する。

(イ) 児童・生徒を対象とした調べ学習に対応できる資料を収集する。

(ウ) 総合学習・調べ学習も含め、子どもの学習に応えられる参考図書等の資料を収集する。

ウ 参考図書
日常よく利用されると思われる辞書、事典や統計等の資料を中心に収集する。また、内容は、常に新しいものとなるよう留意する。

エ 郷土資料

(ア) 中央図書館に準じて、基本的な資料はできる限り収集し、区内に関する資料や区内で刊行された資料は網羅的に収集する。

(イ) 区の出身者、在住者及びゆかりのある人物の文学的資料や伝記的資料を収集する。

オ 雑誌・新聞

(ア) 市民の趣味、娯楽や教養等に役立つ一般雑誌や新聞を収集する。

(イ) 子ども向けの趣味、娯楽や調べ学習に役立つ雑誌や新聞を収集する。

5. まんが図書館

市民の豊かな感性や創造性の醸成に役立てるとともに、漫画文化の発展に寄与するために、資料的価値の高い漫画資料等を積極的に収集する。

(1) 収集の範囲

ア 良質で資料的価値の高い漫画資料

(ア) 時代を代表する漫画資料

(イ) 代表的な漫画雑誌

(ウ) 海外の代表的な漫画本及び漫画雑誌

イ 漫画研究のための漫画関係資料(まんが図書館のみ)

(ア) 漫画文化論、漫画史論、漫画家論、伝記、随筆等の図書資料

(イ) 絵巻物、戯画、風刺画等の歴史的資料

(ウ) 漫画が原作の映画論等の研究資料

ウ 学習・教養漫画資料(まんが図書館あさ閲覧室のみ)

(2) 選択の留意点

ア 漫画資料

(ア) 漫画本(1コマ、4コマ、ストーリー漫画等)
国内の漫画本は、各時代の代表的な作品、漫画発展史上大きな役割を果たした作品を中心に収集する。収集にあたっては、単なる事象の伝達ではなく、漫画表現そのものを主目的として作成されたものを優先的に収集する。
海外の漫画本は、各国の代表的なもの及び日本の代表的な作品が翻訳されたものを必要に応じて収集する。

(イ) 漫画雑誌(少女、少年雑誌等)
漫画雑誌は、代表的かつ図書館に適した資料を収集する。

イ 漫画研究資料(まんが図書館のみ)

(ア) 漫画文化論、漫画史論、漫画家論、伝記、随筆等の図書資料及び漫画研究専門雑誌等の逐次刊行物は、バックナンバーも含めて可能な限り収集する。

(イ) 絵巻物、戯画、風刺画等の歴史的資料は、図書形態のものを優先的に幅広く収集する。

(ウ) 漫画が原作の映画論等は、必要に応じて収集する。

(エ) 現物の収集が困難なものは、必要に応じて複製等を収集する。

ウ 学習・教養漫画資料(あさ閲覧室のみ)
漫画を表現手段とした子ども向けの本(学習漫画)及び一般向けの本(教養漫画)を収集する。

〔参考〕

6. 広島市国連寄託図書館

市民の豊かな感性や創造性の醸成に役立てるとともに、漫画文化の発展に寄与するために、資料的価値の高い漫画資料等を積極的に収集する。

(1) 説明

世界の平和と安全の維持等を目指す国際連合(国連)は、世界の人々が国連の働きを理解することができるよう、その活動状況を資料にまとめ、世界各地に設けている国連寄託図書館で公開し、閲覧等に供している。
広島市は、昭和62年(1987年)に国連の寄託指定を受け、中央図書館内に「広島市国連寄託図書館」を開設した。

都市像に「国際平和文化都市」を掲げる本市は、世界の平和と安全維持等を目指す国連の指定を受け、国連の活動を紹介し、国連への理解を深めるため、次の資料を寄託され、公開している。

(2) 寄託の範囲

ア 国連事務局刊行物

イ アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)資料

ウ その他、国連広報資料

広島市こども図書館資料収集要綱

1 趣旨

この要綱は、広島市こども図書館条例(以下「条例」という。)第1条の規定に基づき設置した広島市こども図書館(以下「こども図書館」という。)の資料(条例第3条第1項に規定する「図書その他の教育参考資料」及び同条第2項に規定する「児童文化に関する資料その他参考資料」をいう。以下同じ。)の収集について、必要な事項を定めるものとする。

2 資料収集の基本方針

  1. 収集計画に基づく収集
    資料は、毎年度、資料収集計画を作成し、それに基づき収集する。
  2. 図書館システムとしての収集
    広島市立図書館(こども図書館並びに広島市立中央図書館条例第1条に基づき設置した広島市立中央図書館並びに同条例第3条に基づき設置した広島市立中区図書館、広島市立東区図書館、広島市立南区図書館、広島市立西区図書館、広島市立安佐南区図書館、広島市立安佐北区図書館、広島市立安芸区図書館、広島市立佐伯区図書館、広島市立佐伯区図書館湯来河野閲覧室、広島市まんが図書館及び広島市まんが図書館あさ閲覧室をいう。以下同じ。)は、一つの図書館システムとして一体的な管理運営を行っている。このため、こども図書館は図書館システムの一部として、その役割や目的に応じた体系的な蔵書構成を図る。
  3. 市民の要求を反映した収集
    広範な市民の要求を資料収集に反映する。リクエスト等の直接の要求だけでなく潜在的な要求や将来の要求も反映する。

3 こども図書館の役割と資料収集の範囲等

こども図書館は、広島市の子供のための専門図書館として、子供が本に親しみ、読書を楽しむことを通して、想像力及び創造力を養い、もってより豊かな人間性を育み、健やかな成長に資するための資料を収集する役割を有している。また、広島市立図書館の児童サービスの中心館として、児童文化関係の調査研究のための資料を収集する、並びに収集した資料を最終的に保存する役割も有している。

このため、こども図書館の資料は、広島市立図書館資料収集方針の基本的な考え方及びこども図書館の役割を踏まえて、児童図書、参考図書、児童文化関係資料、郷土資料、原爆資料、雑誌・新聞及び外国語資料を収集する。特に、国内で出版される児童図書は網羅的に収集するとともに、参考図書、郷土資料、原爆資料については、一般図書も収集する。また、児童文化関係資料は、一般図書を中心に収集する。

保存については、資料的価値の高いものを保存する。

4 収集から除く資料

  1. 個人利用を主とする学習参考書、問題集等
  2. 玩具的要素が強い資料
  3. 視聴覚資料。ただし、障害者サービス用録音図書は必要に応じて収集する。
  4. 造本、印刷等が図書館での利用に耐えられないもの

5 資料収集の基本的態度

  1. 資料の収集に当たっては、利用者が自ら考え、判断することができるよう次の点に留意しながら、あらゆる思想や主張が共存するような幅広い資料の収集に努める。

    ア 多様な、対立する意見のある事柄については、それぞれの観点に立つ資料を収集する。

    イ 著者の思想的、宗教的、党派的立場にとらわれずに収集する。

    ウ 個人及び団体からの圧力に屈せずに収集する。

    エ 収集によって起こる紛糾をおそれずに収集する。

    オ 個人的な関心や好みによって収集しない。

  2. 前項により収集した資料が、いかなる思想や主張を持っていても、それをこども図書館及びこども図書館職員が支持しているものではない。

6 資料収集の決定

こども図書館職員の合議により資料の選択を行い、こども図書館長が決定する。

7 資料の選択

資料の選択は、2の「資料収集の基本方針」、3の「こども図書館の役割と資料収集の範囲等」を受け、別に定める「広島市こども図書館資料収集選択基準」に基づき行う。

8 資料の更新及び除籍

  1. 常に適切な資料構成を維持し充実させるため、資料の更新を図る。
  2. 資料の除籍に当たっては、次の基準により判断する。

    ア き損・汚損

    (ア) はなはだしいき損又は汚損のために修理製本等ができないもの

    (イ) 代替資料があり、修理価値のないもの

    イ 亡失

    (ア) 自然災害や不可抗力の事故等により亡失したもの

    (イ) 再三の督促にかかわらず、回収不能の状態で2年を経過したもの

    (ウ) 所在が不明になり2年を経過したもの

    ウ 不用

    (ア) 時間の経過や社会情勢の変化等により、資料的価値や利用頻度が低下したもの

    (イ) 新版・改訂版又は同種資料の入手により、代替可能となったもの

    (ウ) 新聞・雑誌については、定められた保存年限を経過したもの

    エ 合本、製本

    オ 移管

    カ その他
    こども図書館長が、除籍が必要と認めたもの

9 資料除籍の決定

  1. こども図書館職員の合議により資料の選択を行い、こども図書館長が決定する。
  2. 除籍した資料は、広島市物品管理規則等により処理する。

10 資料の保存

歴史的価値がある資料や品切れ・絶版により入手が困難な資料など資料的価値が高いものについては、最低1冊は保存する。

広島市こども図書館資料収集選択基準

1 趣旨

この基準は、広島市こども図書館資料収集要綱の7に基づき、資料の選択について必要な事項を定めるものとする。

2 選択基準

  1. 児童図書

    ア 乳幼児から児童・生徒が利用対象の中心となるので、子供の発達段階を念頭に置きながら、地域の特性を考慮して収集する。

    イ 子供の学習や小・中学校での調べ学習に対応できる資料を収集する。

    ウ 障害者サービス用資料として、様々な障害の特性に配慮した資料を、資料形態等の利用のしやすさに留意して収集する。

    エ 外国語の資料は、外国における優れた絵本の原著を中心に収集する。

    オ 各分野の評価の定まった資料は、更新に留意し、欠本を生じさせないようにする。

    • ※以下、各分野の留意点を、「日本十進分類法新訂10版」の主題別に記す。
    [E 絵本]
    • 子供の知的、情緒的経験を広げ、豊かな想像力を養うものを中心に幅広く収集する。
    [P 紙芝居]
    • 一度に複数の子供が楽しめる紙芝居の特色を生かせるものを収集する。
    [0 総記]
    • 子供向きの資料を中心に、内容によっては大人向きの百科事典等も収集する。
    [1 哲学]
    • 理解しやすい哲学・倫理・思想・宗教の基本的な資料を収集する。
    [2 歴史]
    • 世界史・日本史は、年表や図版を使った資料に留意し、多様な見解のものを幅広く収集する。
    • 伝記は、多様な人物について、多角的に調査研究し、客観的に書かれている資料を収集する。
    • 地理は、日本国内・世界各国・地域とも最新の情報に留意し、体系的に収集する。
    [3 社会科学]
    • 社会の新しい動向に留意し、基本的な資料を収集する。
    • 風俗習慣に関する多様な資料を収集する。
    • 平和学習・国際理解については、積極的に収集する。
    [4 自然科学]
    • 子供の科学的なものの見方や考え方を育てる資料を、内容の正確さに留意して、体系的に収集する。
    • 自然科学の進歩に留意し、情報の新しい資料を収集する。
    • 子供の多様な知識欲に応えられるよう幅広く収集する。
    [5 技術]
    • 土木・建築・機械・電気について、科学技術の進歩に留意し、情報の新しい資料を収集する。
    • 環境や乗物は、積極的に収集する。
    • 手芸や料理等は、実用性の高い資料を収集する。
    [6 産業]
    • 各種産業についての基本的な資料を収集するとともに、産業界の動向にも留意し、情報の新しい資料を収集する。
    [7 芸術]
    • 美術・音楽・演劇・スポーツについて、基本的な資料を収集するとともに、時代の動きに留意し、情報の新しい資料を収集する。
    [8 言語]
    • 日本語の理解に役立つ資料を収集する。
    • 児童・生徒を対象とした外国語入門書に留意して収集する。
    [9 文学]
    • 幼児から児童・生徒までを対象とした日本及び各国の古典から現代までの多様な文学作品を収集する。
  2. 参考図書
    子供向きの資料を中心に、内容によっては大人向きの事典等も含め、各分野の進歩に留意して収集する。
  3. 児童文化関係資料
    子供を理解し、子供の読書環境と児童文化の向上に資する資料を一般図書を中心に収集する。

    ア 児童図書と子供の読書活動に関する資料を収集する。

    イ おはなし会等子供の読書活動推進に役立つ資料を収集する。

    ウ 子供の心理や発達及び教育に関する資料を収集する。

    エ 昔話や民話に関する資料を収集する。

    オ 子供の遊びに関する資料を収集する。

    カ 絵本や児童文学に関する作品論・作家研究書を収集する。

  4. 郷土資料
    児童・生徒向きの資料を中心に収集する。

    ア 郷土の範囲
    広島市内及び広島県内

    イ 収集の範囲

    (ア) 郷土に関する資料

    (イ) 郷土の関係団体の行政資料

    (ウ) 郷土在住、出身及びゆかりのある人物について記述された伝記的資料

    (エ) 郷土及びそこに暮らす人々を題材にした小説等の文学的作品

    (オ) 各種出版物(図書・雑誌等) で、内容の一部に広島市に関する記述があるもの

    (カ) 郷土の各種団体に関する資料

    (キ) 郷土で出生した、又は在住している作家の子供向きの絵本・童話等

    (ク) その他

  5. 原爆資料
    広島・長崎の原爆被災を記載した資料を、児童図書を中心に積極的に収集する。
  6. 雑誌・新聞

    ア 雑誌

    (ア) 子供の趣味・娯楽や調べ学習に役立つ雑誌を収集する。

    (イ) 児童文化関係の調査・研究に役立つ雑誌を収集する。

    イ 新聞

    子供向きの新聞や主要な一般紙等を収集する。

3 選択上の留意点

  1. 内容

    ア 知識は正確で分かりやすく、公正で、かつ時代の進歩に応じ、論理的に発展している資料を収集する。

    イ 俗悪に流れず、健全で、文学性があり、子供に想像力を持たせ、感性を豊かにすることができる資料を収集する。

    ウ 子供の要求や能力に合致し、経験を充実させることができる資料を収集する。

  2. 表現
  3. ア 子供の発達段階に適した表現を用い、それが内容を表すのに十分であるとともに、子供の心情を豊かにするよう叙述されている資料を収集する。

    イ 漢字、仮名遣いが標準に合致し、明瞭で正確な写真・絵画・グラフ・図表等により視覚化し、子供の理解を助けている資料を収集する。

    ウ 翻訳書は、原文の意味を正確に伝え、理解しやすい資料を収集する。

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